インド関連メールマガジン過去ログ
インド赴任前に知っておくと便利な実体験情報
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第3号 - 出勤初日
■目次■
(0)海外レポータから皆さまへの挨拶
(1)初出勤
(2)スラム街
(3)女性の職業
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皆さま、こんにちは。
既に、ウェブページに英語の自己紹介文を掲載していますので
お気づきの方もいらっしゃることかと思います。
今日は、インド在住で、海外レポータを担当します、
ギリッシュ カルカーニ氏を紹介します。
皆さまの質問にお応えしたり、現地情報発信を担当します。
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■(0)海外レポータから皆さまへの挨拶
皆さま、こんにちは。
ギリッシュ カルカーニと申します。
数ヶ月前にニューヨークから帰国しまして、現在はデリーに
住んでいます。
職業は、テクニカル コンサルタントです。
データマイニング、分析、コンピュータ シミュレーション、
データウェアハウジング/オプティマイゼーションなどの
サービスを提供しております。
学生時代は航空機関連の軽金属を研究していました。
ここで本業の宣伝のような挨拶ばかりしてもなんですので、
省略させていただきます。
今まで、日本とは残念ながら接する機会がありませんでしたが、
常に関心を抱いておりましたので、
このようにして皆さまと何らかのかたちで
接することができ、とても光栄に思います。
マハラシュトラ州(ムンバイ所在州)の出身で、以前は、
ムンバイに住んでいました。
ムンバイ(郊外)のヒラナンダニ地区は新しく開発された
住宅地でなかなか快適な生活空間が提供されています。
ところがこの最近、この地区の事がデリーでも
ニュースで話題もちきりです。
ヒョウが住人を襲ったのです。
ヒラナンダニ地区にはポワイという湖がありますが、
この湖を挟んでジャングルがあります。
ここから、時折、このように野生の動物が街中に
出没することがあります。
しかし、インドと言えども頻発する事故では
ありませんので、大きな話題となります。
(ご参考までにヒラナンダニ地区の写真です。)
インドは都市化が進んでいる一方、
自然も隣接する国です。
このメールマガジンを購読していらっしゃる皆さまは
何らかのかたちでインドに関わっていらっしゃるか
或いは、興味をお持ちの方々ではないかと思います。
人種ひとつをとってもひとことでは説明できない
インドを、少しでも身近に感じていただけたら
幸いです。
皆さまからの質問にお応えしたり、現地情報を
発信していきたいと思います。
よろしくお願いします。
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■(1)初出勤
鳥のさえずりに目を覚ますと、
窓から見える景色は緑がいっぱい。
動物園でしか見たことのないようなカラフルな鳥たち。
未だ熱気の上がっていないさわやかなインドの朝。
ゲストハウスに会社の人(上司)が迎えに来てくれました。
でも、初日から完璧に遅刻です。
でも、「気にしなくていい」とのこと。
インドのこういうところ大好き!
初出勤には、インド名物の3輪オート・リクシャに初乗りです!
かわいらしい見かけとは大違いで、乗車した途端に、
まるで遊園地のジェットコースターなみの手に汗握るスリルです。
いや、死ぬかと思うほど、と言っても過言ではありません。
ところが、後にこれが私のお気に入りになってしまいます。
(* 小島卓著「やがてインドの時代がはじまる」
によると英米の交通事故数は
1万台あたり3件、インドでは1万台あたり24件。)
小回りが利くので、朝の交通渋滞の中、わずかな隙間さえあれば、
右も左も交通ルールもお構いなく、けたたましくクラクションを
鳴らしながら、道無き道を掻き分けて突き進みます。
道路は車と人だけで共有しているのではありません。
牛は、渋滞なんか完全無視で道路のど真ん中を
占領していますし、時には首輪でつながれて散歩中か
移動中と思われる熊、稀なことですが像にも出会えます。
リクシャから手を伸ばせば、触れるほどの至近距離にいるのです!
車間距離の狭さだけでも充分に怖気づいているところに
今度は目の前に現れた驚きの光景は、
広大なスラム地区です。
■(2)スラム地区
英語でDeveloping Country と言いますが、
確かにその言葉のとおり、どこもかしこも
「開発中」で建築中のビルが立ち並んでいます。
日本の建築会社の方が、この光景を見たら、さぞかし感激されることでしょう。
建築現場で必要なものといえば、人手です。
インド各地の地方都市から現金収入を求めムンバイに毎日の
ように大勢の人が集まってきます。
その人たちの住居としてスラム街が提供されているのです。
(* 英語のわからない人たちばかりですので、
直接聞き取り調査をしたわけではありませんが、
スラム街と言えども家賃を
支払っているそうです。)
この地域をこれから毎日、通勤の際に通過
しなければならないのです。
つまり、毎日、目を凝らして興味津々で観察することになります。
このスラム街は緑に囲まれたところに形成されていましたが、
毎朝、奥の茂みの方から小さな水入れバケツを持った
大人(男性)たちを大勢見かけます。
何のためかは、ご想像にお任せします。
ところが、幼い子供たちは家から離れたところには行けませんので、
通勤ラッシュの道路脇に座り込んで用を足しています。
丸見えです。
その直ぐ傍では、母親らしき人が料理をしています・・・。
来月あたりからモンスーンの季節に突入し、
水浸しになるところが出てくると聞きました。
ついついおぞましい光景を思い浮かべてしまいました。
(汚い話しですみません。これで終わりです。)
あとひとつの驚きはケーブルテレビです。
スラム地域のほとんどの家にケーブルテレビが
敷設されています。
BBCの朝のニュースが聞こえてきます。
しかし、ここの住民は英語は話せません。
カラーテレビを購入する余裕があるのかと
思われることでしょう。
一般的にスラムに住んでいるところの奥さんたちは
裕福な家庭に通いのメイドとして仕事をしている場合が
ほとんどです。
そこの家庭で新しいテレビに買い換えたりするときに古いものを
無料で譲り受けています。
ケーブルは電気同様、勝手に線を引いていると聞きましたが、
これも事の真実を確かめる裏づけ調査には至っていません。
(支払っていたらごめんなさい。)
■(3)女性の職業
先進諸国では女性がウェイトレスとして外食産業の大きな
労働力のひとつとなっていますが、インドではウェイトレスは
一度も見たことがありません。
ウェイター、つまり男性ばかりです。
教育を受けていない低額所得の主婦は、先述のように
特定の家庭(時には複数家庭掛け持ち)で通いの
メイドとして仕事をすることが一般的です。
しかし、不特定多数(*)の人を対象にしたところで、他の見知らぬ男性のために仕える
ような仕事は、避けられています。
これだけ聞くと、インドは女性にとって結構厳しい国だと
思われるかも知れません。
しかし、教育を受けた人たちが勤務している企業/組織では、
女性の管理職者数は半数近くに至っているところも稀ではありません。
女性にとっては、かなり快適な労働環境です。
インドの社会自体が、男性であるとか女性であるとかは問題とせず、
どの階級で生まれ、どういう教育を受けたかで人生すべてが決まると言っていいでしょう。
(* 既述の小島卓氏の著書にもカーストは職業別の
イエローページ、と適確に表現されています。)
その為か、当然の如く、持つ者は施しを授け、
無き者は施しを受ける、という社会通念がとおっています。
貧しいと思しき人が、自分よりも貧しい人に施しを
与えている光景を何度も見ました。
何かに書いてありました。
お金が貯まったら「あれをしよう。これをしよう。
いくら寄付をしよう。」
という考えでは、一生何もできない、と。
* 不特定多数の人に仕える職業に女性が就職しないとは言っても、
フライトアテンダント等は例外です。
ハイクラスの美人が採用されます。
* スラム地区では教育が行き届いていないせいか、衛生観念が
異なりますので、メイドを雇い入れる場合には
根本から指導する必要があります。
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■編集後記■
私がヒラナンダニに住んでいたころも、ジャングルから
野生の虎が2匹街中に逃げ出したことが一度ありました。
外出の際には気をつけるように警戒が発せられ、
大事に至らずに解決しました。
しかし、日々の生活で野生の動物よりも怖かったのは、
(野良)犬でした。
郊外だったので特に多かったのかもしれませんが、
驚くほどたくさんいました。
日中は、暑さのせいか、ぐったりとして
おとなしくしていて、道路を歩き回ることもありません。
ところが、一旦、日が沈み、街中から人気が少なくなると
野生化し、目つきまで変わってきます。
夜中になると、まるで狼のような遠吠えがあちらこちらから
聞こえてきます。なんとも不気味です。
野良犬ですので狂犬病の予防注射は
まず接種していないはずです。
夜の外出/帰宅は近距離であっても
必ず車でドア から ドアにしました。
ニューズレター過去ログ
第3号 - 出勤初日
■目次■
(0)海外レポータから皆さまへの挨拶
(1)初出勤
(2)スラム街
(3)女性の職業
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皆さま、こんにちは。
既に、ウェブページに英語の自己紹介文を掲載していますので
お気づきの方もいらっしゃることかと思います。
今日は、インド在住で、海外レポータを担当します、
ギリッシュ カルカーニ氏を紹介します。
皆さまの質問にお応えしたり、現地情報発信を担当します。
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■(0)海外レポータから皆さまへの挨拶
皆さま、こんにちは。
ギリッシュ カルカーニと申します。
数ヶ月前にニューヨークから帰国しまして、現在はデリーに
住んでいます。
職業は、テクニカル コンサルタントです。
データマイニング、分析、コンピュータ シミュレーション、
データウェアハウジング/オプティマイゼーションなどの
サービスを提供しております。
学生時代は航空機関連の軽金属を研究していました。
ここで本業の宣伝のような挨拶ばかりしてもなんですので、
省略させていただきます。
今まで、日本とは残念ながら接する機会がありませんでしたが、
常に関心を抱いておりましたので、
このようにして皆さまと何らかのかたちで
接することができ、とても光栄に思います。
マハラシュトラ州(ムンバイ所在州)の出身で、以前は、
ムンバイに住んでいました。
ムンバイ(郊外)のヒラナンダニ地区は新しく開発された
住宅地でなかなか快適な生活空間が提供されています。
ところがこの最近、この地区の事がデリーでも
ニュースで話題もちきりです。
ヒョウが住人を襲ったのです。
ヒラナンダニ地区にはポワイという湖がありますが、
この湖を挟んでジャングルがあります。
ここから、時折、このように野生の動物が街中に
出没することがあります。
しかし、インドと言えども頻発する事故では
ありませんので、大きな話題となります。
(ご参考までにヒラナンダニ地区の写真です。)
インドは都市化が進んでいる一方、
自然も隣接する国です。
このメールマガジンを購読していらっしゃる皆さまは
何らかのかたちでインドに関わっていらっしゃるか
或いは、興味をお持ちの方々ではないかと思います。
人種ひとつをとってもひとことでは説明できない
インドを、少しでも身近に感じていただけたら
幸いです。
皆さまからの質問にお応えしたり、現地情報を
発信していきたいと思います。
よろしくお願いします。
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■(1)初出勤
鳥のさえずりに目を覚ますと、
窓から見える景色は緑がいっぱい。
動物園でしか見たことのないようなカラフルな鳥たち。
未だ熱気の上がっていないさわやかなインドの朝。
ゲストハウスに会社の人(上司)が迎えに来てくれました。
でも、初日から完璧に遅刻です。
でも、「気にしなくていい」とのこと。
インドのこういうところ大好き!
初出勤には、インド名物の3輪オート・リクシャに初乗りです!
かわいらしい見かけとは大違いで、乗車した途端に、
まるで遊園地のジェットコースターなみの手に汗握るスリルです。
いや、死ぬかと思うほど、と言っても過言ではありません。
ところが、後にこれが私のお気に入りになってしまいます。
(* 小島卓著「やがてインドの時代がはじまる」
によると英米の交通事故数は
1万台あたり3件、インドでは1万台あたり24件。)
小回りが利くので、朝の交通渋滞の中、わずかな隙間さえあれば、
右も左も交通ルールもお構いなく、けたたましくクラクションを
鳴らしながら、道無き道を掻き分けて突き進みます。
道路は車と人だけで共有しているのではありません。
牛は、渋滞なんか完全無視で道路のど真ん中を
占領していますし、時には首輪でつながれて散歩中か
移動中と思われる熊、稀なことですが像にも出会えます。
リクシャから手を伸ばせば、触れるほどの至近距離にいるのです!
車間距離の狭さだけでも充分に怖気づいているところに
今度は目の前に現れた驚きの光景は、
広大なスラム地区です。
■(2)スラム地区
英語でDeveloping Country と言いますが、
確かにその言葉のとおり、どこもかしこも
「開発中」で建築中のビルが立ち並んでいます。
日本の建築会社の方が、この光景を見たら、さぞかし感激されることでしょう。
建築現場で必要なものといえば、人手です。
インド各地の地方都市から現金収入を求めムンバイに毎日の
ように大勢の人が集まってきます。
その人たちの住居としてスラム街が提供されているのです。
(* 英語のわからない人たちばかりですので、
直接聞き取り調査をしたわけではありませんが、
スラム街と言えども家賃を
支払っているそうです。)
この地域をこれから毎日、通勤の際に通過
しなければならないのです。
つまり、毎日、目を凝らして興味津々で観察することになります。
このスラム街は緑に囲まれたところに形成されていましたが、
毎朝、奥の茂みの方から小さな水入れバケツを持った
大人(男性)たちを大勢見かけます。
何のためかは、ご想像にお任せします。
ところが、幼い子供たちは家から離れたところには行けませんので、
通勤ラッシュの道路脇に座り込んで用を足しています。
丸見えです。
その直ぐ傍では、母親らしき人が料理をしています・・・。
来月あたりからモンスーンの季節に突入し、
水浸しになるところが出てくると聞きました。
ついついおぞましい光景を思い浮かべてしまいました。
(汚い話しですみません。これで終わりです。)
あとひとつの驚きはケーブルテレビです。
スラム地域のほとんどの家にケーブルテレビが
敷設されています。
BBCの朝のニュースが聞こえてきます。
しかし、ここの住民は英語は話せません。
カラーテレビを購入する余裕があるのかと
思われることでしょう。
一般的にスラムに住んでいるところの奥さんたちは
裕福な家庭に通いのメイドとして仕事をしている場合が
ほとんどです。
そこの家庭で新しいテレビに買い換えたりするときに古いものを
無料で譲り受けています。
ケーブルは電気同様、勝手に線を引いていると聞きましたが、
これも事の真実を確かめる裏づけ調査には至っていません。
(支払っていたらごめんなさい。)
■(3)女性の職業
先進諸国では女性がウェイトレスとして外食産業の大きな
労働力のひとつとなっていますが、インドではウェイトレスは
一度も見たことがありません。
ウェイター、つまり男性ばかりです。
教育を受けていない低額所得の主婦は、先述のように
特定の家庭(時には複数家庭掛け持ち)で通いの
メイドとして仕事をすることが一般的です。
しかし、不特定多数(*)の人を対象にしたところで、他の見知らぬ男性のために仕える
ような仕事は、避けられています。
これだけ聞くと、インドは女性にとって結構厳しい国だと
思われるかも知れません。
しかし、教育を受けた人たちが勤務している企業/組織では、
女性の管理職者数は半数近くに至っているところも稀ではありません。
女性にとっては、かなり快適な労働環境です。
インドの社会自体が、男性であるとか女性であるとかは問題とせず、
どの階級で生まれ、どういう教育を受けたかで人生すべてが決まると言っていいでしょう。
(* 既述の小島卓氏の著書にもカーストは職業別の
イエローページ、と適確に表現されています。)
その為か、当然の如く、持つ者は施しを授け、
無き者は施しを受ける、という社会通念がとおっています。
貧しいと思しき人が、自分よりも貧しい人に施しを
与えている光景を何度も見ました。
何かに書いてありました。
お金が貯まったら「あれをしよう。これをしよう。
いくら寄付をしよう。」
という考えでは、一生何もできない、と。
* 不特定多数の人に仕える職業に女性が就職しないとは言っても、
フライトアテンダント等は例外です。
ハイクラスの美人が採用されます。
* スラム地区では教育が行き届いていないせいか、衛生観念が
異なりますので、メイドを雇い入れる場合には
根本から指導する必要があります。
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■編集後記■
私がヒラナンダニに住んでいたころも、ジャングルから
野生の虎が2匹街中に逃げ出したことが一度ありました。
外出の際には気をつけるように警戒が発せられ、
大事に至らずに解決しました。
しかし、日々の生活で野生の動物よりも怖かったのは、
(野良)犬でした。
郊外だったので特に多かったのかもしれませんが、
驚くほどたくさんいました。
日中は、暑さのせいか、ぐったりとして
おとなしくしていて、道路を歩き回ることもありません。
ところが、一旦、日が沈み、街中から人気が少なくなると
野生化し、目つきまで変わってきます。
夜中になると、まるで狼のような遠吠えがあちらこちらから
聞こえてきます。なんとも不気味です。
野良犬ですので狂犬病の予防注射は
まず接種していないはずです。
夜の外出/帰宅は近距離であっても
必ず車でドア から ドアにしました。
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