アメリカで新しい肥満対策の治験が始まる
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地元の病院をはじめ、全米9カ所の医療機関で合計370人を対象に、胃の一部切除に代わる新しい肥満対策の治験が始まりました。
2年がかりのプロジェクトです。 海外では、既に2000人超の患者が受けている医療処置らしいですが、 今回、アメリカが本格的に取り組み始めました。 従来の胃の切除のように皮膚を切開する必要はなく、 口から胃へ器具を挿入し、胃壁に針(ステープル)で固定させる内視鏡処置です。 アンカーで固定することにより、胃の拡張を抑え、少量の食事で満腹感を 味わえるようにする方法です。 切開する大掛かりな手術よりも傷口が小さいとは言え、 手術のひとつであることに変わりはありません。 1000分の1の確率で、胃の内部に膿瘍を形成するリスクが 報告されています。 アリゾナ州Scottsdale(スカッツデール)市の総合病院は、 この治験に参加している米国西部地方の中で、唯一の医療機関です。 およそ70人を対象にするらしく、新聞に募集要項などが掲載されていました。 BMI (Body Mass Index)や体重は勿論、対象年齢は30〜40歳に制限され、 安全性や治療効果が確認されます。 米国で実用化されるか否かは、この治験プログラムの結果次第です。 既にこのプログラムに参加している体重300ポンド(約136キロ)の被験者に言わせると、 治験という実感はなく、無料で治療を受けているような感覚のようです。 医療費が世界一高額と言えるアメリカで、定期的に手厚く体調をチェックされるのは、 確かにそういう感覚になっても不思議はありません。 なお、病院に赴く日は、30ドルの手当が支給されます。 多少のリスクがあるとは言え、肥満から脱出したい 切実な思いの人たちにとっては、治験経過が注目されます。 結果次第で、FDAの実用化への認可が左右されます。 被験者によると、同時に栄養指導も受けられ、生活習慣の改善にもつながっているようです。 根本は、幼い頃からの家庭や学校において、アメリカ社会でいかに食教育がなおざりにされていたかが 伺える肥満問題のようです。 おそらく、日本の医療業界では、取り上げられることのない問題でしょう。 (参考資料:ビジネスジャーナル) |