欧米諸国のように、グローバル化で仕事が賃金の低い海外に移転した先進諸国では、格差がますます広がってきました。
失職した欧米諸国の年齢層にとっては、グローバル化とは、ネガティブなもの。
それを反映しているように、英国の国民投票では、EUからの離脱が過半数を占めました。
これからの時代を生きて行く若い世代は、振り返るような過去の栄華を経験していません。
若い世代にとっては、不満極まりない結果。
(もっとも、投票翌日になってわかったことですが、若い世代でも詳しいことがわからずにEU離脱に賛成の票を投じた人たちが多数いるそうです。)
グローバル化に多くの不平不満を抱えている先進諸国とは相反して、グローバル化でご利益を被ったのは、インドや中国。
60%だったインドの貧困率は、22%に改善されました。
(平均寿命は、49歳から66歳に伸びました。)
さらに驚きの数字は、中国です。
貧困率は、84%から13%に大きく改善。
ハーバード大学の経済学者であるDani Rodrick氏によると、グローバル化には3つの相殺条件があります。
- 民主主義
- 自国の権威/主権
- グローバル経済の統合
このうちの2つを維持することができても、3条件すべてを満たすことはできないそうです。
言い換えれば、グローバル化を優先するのならば、民主主義か自国の主権を諦めなければならない、ということです。
英国の国民投票の結果は、まるで、同氏の理論を一般庶民にわかりやすく立証したような形に思えます。
グローバル化への代償として、先進諸国には、これからも厳しいチャレンジが続くことでしょう。
それでは、みなさんのもとにいいことがたくさん舞い込んできますように!
[参照:The Washington Post, The Industry of the Future]