ローマ時代は、奴隷の職業だったと言われています。
誰も、咳コンコン、鼻水ダラダラ、原因不明の高熱の人などを触りたいとは
思わなかったことでしょう。
ところが、ニーズは高まり、感謝され、人が生きている限り、なくてはならない
尊敬されるプロフェッションへと様変わりしていきました。
ステータスも驚くほど上がってきました。
大半の医者は尊敬に値する優秀な人たちです。
ところが、最近、米国で有罪判決を受けた医師がいます。
専門知識が豊富で信頼されるプロフェッションであることを利用した
悪質なケースです。
抗ガン治療であるキーモセラピー (chemotherapy) を利用したあら稼ぎです。
ガンと診断された患者たちは、その医師に言われるまま、キーモセラピーを受けました。
抗ガン治療の副作用は言わずとも知られたもの。
患者のなかのひとりは、治療期間中に自宅で転倒し、骨折しました。
そして、運よく、骨折の治療にあたった病院で、ガンではないことが判明。
同じような被害者が大勢見つかりました。
古代から存在する貴重な職業、そして信頼できるべきプロフェッション。
しかし、患者の立場からするとセカンドオピニオンは無視できません。
一般的に、医師たちは患者に、セカンドオピニオンを求めてよいことを伝えます。
身体にメスを入れられる前や、体内になんらかの物質を混入される前には、
納得いくまで質問攻めにしても問題ありません。
質問に対して逆ギレしたり、躊躇したり、
過去の実績データのシェアを渋るような医師に命を預けたいですか。
医師としての知識、技術は当然ながら、これからはカスタマーサービスや
コミュニケーション能力がますます問われる時代です。