この数ヶ月を振り返ってみると、ホールフーズの買収、ドローンタワー(ドローンを使った配送センター)の特許申請があげられます。
そして、最近の新しい話題。
それは、第二本社を北米のどこかに設立する計画。
シアトルの本社に相当する機能の本社。
つまり、第二本社が設立されることにより、5万件の職業が新しく作り出されるのです。
しかも、高額所得(年収10万ドル超)ですからね。
北米の大都市(カナダも含む)が候補地として立候補するのは当然です。
(注)このRFPと呼ばれる様式は、外資企業では常に使う文書です。
例えば、ある企業がIT系プロジェクトを開始すると決定したら、アウトソースするための企業の選びに使われます。各IT企業がこのRFPに基づいてプロポーザル(提案書)を作成/提出し、決められた日時にプレゼンテーションに出向いて売り込むという仕組みです。
今回のアマゾンは、北米の大都市が、候補地として手を挙げています。
RFPの提出期限は、10月19日。
候補地が最終的に決定されるのは、2018年になります。
まるで五輪の誘致合戦と揶揄されています。
特に、不況に悩まされいる都市にとっては、滅多にないチャンスかも知れません。
しかし、こういうハイテク系の企業が進出してくると一般庶民の生活に大きな負の影響を与えます。
シアトルに既に見られるように不動産価格の高騰。
シアトル在住の知人によりますと、ハイテク関連企業に勤めていない人にとっては、ご利益があるどころが、不動産価格やアパートの賃料が値上がりして迷惑しているそうです。
もっとも、シアトルの場合は、マイクロソフトがそのきっかけになり、さらにアマゾンが元気になっていくにつれて、ますます高騰しているのでしょうけどね。
確かに、誰もが年収10万ドル級の職業につけるわけではありませんよね。
でも、アマゾンの華やかな繁栄でいろいろな分野で派生効果はあるはずです。
最近、ネットで日本のニュースを見ていたらやたらとアマゾンの求人広告が目に入って来ます。
かなり、活発に英語と日本語のバイリンガルを募集しているようです。
バーチャルカスタマーセンターのバイリンガルカスタマーサポートで、在宅勤務の仕事です。
興味津々で覗いてみました。
日本でバイリンガルだったら、それなりの給料が期待できます。
このアマゾンの日本語/英語バイリンガルのお仕事は、なんとほぼ最低時給!
10ドル/時間です。
州によって最低賃金に差がありますから、その州の最低時給が10ドル以上の場合は、その額が適用されます。
勤務時間は、(西海岸時間)午前3時から夜中までの時間帯。
もちろんシフト制でしょうが、週末は1-2日はシフトが入るそうです。
ちょっときつい条件ですね。
なお、在宅勤務とは言っても、居住している州が限定されています。
おそらく、トレーニングの関係上でしょう。
アラバマ、アリゾナ、アーカンソー、コロラド、フロリダ、ジョージア、アイダホ、イリノイ、インディアナ、アイオワ、カンザス、ケンタッキー、ルイジアナ、メイン、メリーランド、ミシガン、ミシシッピー、ネブラスカ、ネバダ、ニュージャージー、ニューメキシコ、ニューヨーク、ノースカロライナ、ノースダコタ、オハイオ、オクラホマ、ペンシルバニア、サウスカロライナ、テネシー、ユタ、バージニア、ウェストバージニア、ウィスコンシン、ワイオミング、以上の州に居住していることが条件になっています。
フルタイムのお仕事で残業もありますが、週60時間以内となっています。
これから繁忙期に入るので、そのタイミングに合わせて、この時期に募集されているのでしょう。
(注)アメリカで「フルタイム」と言っても、日本のような正社員とは異なります。時給制です。
ついでに、応募要件を。
- 英語と日本語が流暢であること。
- 高校卒業以上。
- タイピング、電話、コンピューターを使えること。
- インターネット、電子メール、インスタントメッセージを使えるスキルがあること。
- 1年以上のカスタマーサービスの経験があること。
- トレーニングに参加して、終了できること。
- 米国での勤労が許可されており、関連書類(I-9)を書き込み、提出(手渡し)できること。
- 日曜日から土曜日の午前3時から夜中(西海岸時間)の間のあらゆるシフトに対応できること。
こういう条件になっています。
特に、「英語と日本語が流暢であること」は、太字でしかも下線がが引かれています。
日本語の勉強を始めたばかりの外国人からの応募が多くて困っているのかも知れませんね。
興味のある方は、amazon.force.comをご覧ください。
「アマゾンの仕事」と言っても、年収10万ドルから時給10ドル。
時給10ドルの場合、週に50時間勤務しても、年収は26000ドル。
しかも、土日を諦めてまでの貢献が必要。
ちょっと格差が・・・。
そして、繁忙期が過ぎたら、ごっそり解雇するのでしょう。
と、昨年のクリスマス時期にアマゾンの配送センターで仕事をした若者が嘆いていました。
採用されたときには、正社員にするから、と言われたそうです。
アマゾンの活発な日本語/英語バイリンガル募集に目が止まったのと同時に、アマゾンの第二本社がフェニックス市を選ばないことを祈ります。
シアトルのように物価を高騰させないためにも!
そして、今朝のニュース。
オンラインショップに押されて、またも消えていくアメリカの小売りチェーン、トイザらスの倒産。
これから、おもちゃが飛び売れするはずのホリデーシーズンというのに・・・。
独り相撲状態のアマゾン。
ここまで大きくなると、あちらこちらで反感が渦巻き始めているような気配。
それでは、みなさんのもとにいいことがたくさん舞い込んで来ますように!
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トランス ディスカバリーズは、社会人、学生を問わず、学ぶ意欲のある人たちや、
学ぶチャンスに恵まれていない人たちが知識やスキルを身につけ、明るい未来を築いていくことを応援します。
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[References: Reuters Japan, Techcrunch, Amazon, and Recode]