少しタイミングが遅くなってしまいましたが、今年の5月にニューヨーク大学の卒業生に贈られた言葉を参照しています。
同氏が、GEへ入社したのは、1982年。
入社以来、同氏は、生産性、イノベーション、グローバル化の3つの分野に注力することで、キャリアを築き上げて来られました。
当時、会社の収益の8割は米国内から得ていました。
今では、180か国に広がる海外ビジネスからの収益が、7割を占めるに至っています。
GEのような大手に入社すると安泰と思われがちです。
しかし、今の時代では、そうとばかりも言えません。
グローバル化により、世界じゅうの大手企業は過去に見られないようなチャレンジを強いられています。アメリカの企業に限ったことではありません。EUの将来性は議論の最中ですし、アジアやアフリカ地域においては、保護主義の傾向が強まっています。中国は、継続性/永続性のある経済へ移行しようとしています。
労働力がアウトソースされ、中産階級の立場が逼迫され、収入の格差は信じられないレベルにまで広がりました。技術とグローバル化の競争により、中産階級は仕事や収入へ影響に対する不安、そして、企業や政府の目的に不信の念を抱いています。
また、この状況に導いた原因のひとつが、テクノロジーであることも否めません。
イノベーションにより向上しましたが、不安定さも引き起こしてしまいました。
インターネットで世界じゅうの人たちとつながることができるようになりましたが、それと同時に誰にでも仕事をもたらした訳ではありません。
テクノロジーによって、企業や個々人に厳しい要件が突きつけられてしまいました。つまり、経済の不安定さが強まっています。
大統領候補者も時代を反映するように保護主義的主張が有権者にサポートされ、失業や格差への不満により、グローバル化が責めたてられています。
イギリスも国民投票で、EUから離脱することになりました。
グローバル化と同時に、保護主義を唱える人たちも多数います。
グローバル化は、これからも重要な位置を占めます。
しかし、同氏の知るところの貿易やグローバルな統合化によるグローバル化は変化しています。
だからこそ、大胆な一歩を踏み出さなければならない時期です。
グローバル環境における保護主義には、柔軟な思考が必要ですし、各企業は独自の世界へと舵をとって行くべきです。
今後の持続性のある成長には、グローバルな中に、ローカルな力が求められます。
サプライチェーンの拡大を管理し、安い賃金を追い求めるばかりのものであってはなりません。
米国内向けや医療分野のデジタル製品は、米国で生産。
そのため、米国から海外への輸出は減少するようです。
並行して、サウジアラビアのようなエンドユーズの市場向けには、現地生産を強化していくそうです。
PD (personal development) @ GE というアプリを使って、社員は、短期ゴールを具体的に書き出します。そのゴールに対する進捗状況を頻繁にコミュニケーションできるようになりました。
従来、年に一度や各四半期のように査定されていましたが、このアプリを使って、社員は、いつでもフィードバックをもらえるようになり、パフォーマンスを上げるために、どこを改善すべきかを把握できます。
従来の年に一度の査定制度は、米国の各社が導入していた制度です。
査定期間に各社員をランク付けし、実績の芳しくない下から10%の社員を解雇する習慣が採り入れられていました。
時代の変化とともに、査定制度も変わってきました。
査定と言うよりも、各社員が目標を達成するための「コーチング」に姿を変えてきています。
従来の査定制度に疑問を抱いていた人たちは大勢いらっしゃることでしょう。
査定の時期が近づくと、普段、仕事であまり接点のない人から、猫なで声で近づいてこられることがありました。
仕事での付き合いがない立場としては、困ったものですが、N/A (not applicable:該当せず)ばかりの査定票を提出した記憶が残っています。
年中行事の一つと化していた査定。
アプリを使ってコミュニケーションを密に図るようになった様相の裏には、各社員の業務がオペレーションからプロジェクトに姿を変えて来たことでもあるように思えます。
先進国では、これから、ますます専門的高度な知識や技術を求められることの証とも言える動きです。
それでは、みなさんのもとにいいことがたくさん舞い込んで来ますように!
追記、
同僚の父親は、航空制御装置などを製造している某大手を退職されました。
レイオフやリストラ真っ盛りだった時代の話しです。
有給休暇を消化せずに働きづくめだったそうです。
アメリカでは給料は2週間毎に支払われます。
この企業は、解雇対象者の給料明細の封筒の中に、解雇通知の紙切れを同封する制度を採っていたそうです。
2週間毎に、みんなビクビクしながら給料明細書を開封していた訳です。
なんとも信じられない過酷な制度です。
そういう状況だったため、次は自分の番かも、と思いながら、有給休暇を消化せずに働き続けて、解雇されることなく、退職を迎えたそうです。
今どき、企業がこんなことをしていたら、ソーシャルネットワーク上で散々非難されることでしょう。時代はいい方向に向かっているようです。
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[References: fortune dot com, linkedin dot com]