ドライバーレス自動車が誕生したのは、車を諦めたくない高齢化の代表格とも言えるベビーブーマー世代のためである、と。
冗談の会話でしたが、的を得ているようで、なるほど、と感心しました。
ベビーブーマーが毎年、続々とリタイヤしているアメリカも、着実に高齢者の人口が増えています。
高齢者の入居する施設が、次々と建設されています。
今日は、そう言う高齢化社会への準備を整えている国について。
ブラジル、カナダ、中国、ドイツ、イスラエル、日本、韓国、メキシコ、南アフリカ、トルコ、イギリス、アメリカの12カ国が対象です。
(なお、アフリカ大陸については、アッパーミドルクラスが一番多い国が選ばれました。)
各国の2015年の高齢者の割合は、次のとおり。
日本は、もちろん高齢化社会ナンバーワン。
これから8年後のことです。
地域社会のインフラ、生産性のチャンス、テクノロジー、ヘルスケアーの4項目すべてにおいて、日本はリーダーと評価されています。
ヘルスケアーの場合、アメリカは高齢化云々を問わずに、他のOECD諸国にはるかに遅れをとっていますから、高齢化社会への準備を整えているリーダーとして評価されなくて当然です。
イスラエルは、収入の高い国の中では、比較的年齢の若い国です。
2015年時点においては、65歳以上の人口は全体の11.2%。
2050年には17.4%と見込まれています。
OECD諸国の中では、高齢者の割合の低い国に位置します。
また、2010年から2015年の間、女性一人あたり出生数は3.05人。
高齢化社会問題がそれほど切羽詰まった問題ではないように思えますが、取り組みが進んでいます。
現在イスラエルに住んでいる高齢者の7割以上が、国外で生まれた人たちです。
(うち、22%は、1990年以降にロシアから移住してきた人たち。)
特に、75歳以上の人たちは、1948年以降に国を作り上げてきた世代です。
イスラエルの65歳以上の人たちの97%は、自分のコミュニティーに住み続けています。
そして、約7割の人たちが、自分で独立した暮らしをしています。
注目したのが、今、この国で実施されている「Here We Live」と呼ばれるプログラムです。
これは、一人暮らしをしている高齢者(人の助けを必要とせずに自分で日常生活を送れる)と大学生をマッチングさせるプログラムです。
一人暮らしの老人の孤独感を解消し、若い世代との繋がりを強めます。
学生にとっても利点があります。
大学時代の費用を軽減し、金銭的ハードルを低くします。
ホストとなる高齢者は、自宅の余っている1室を大学生に月額$65から$80で賃貸します。
さらに、学生には、奨学金として約US$2000-が支給されます。
これは、平均的な大学授業料の半分から2/3に相当しますので、学生にとっても大助かりです。
ただし、このプログラムに参加する学生には条件が付きます。
一週間のうち、少なくとも3日間は、ホストの家で泊まること。
そして、ホストである高齢者と週に最低5時間、社会活動に参加すること。
この2点が条件です。
決して難しいものではありませんね。
それが証拠に、参加者が増えています。
2014年-2015年(大学年度)の参加者は100組余りでした。
2016年-2017年には、なんと3700人(学生とホスト)が当プログラムへの参加を申請しています。
同様のプログラムがイギリスをはじめ、他の国々へも広がっています。
そして、このプログラムの醍醐味は、参加した学生たちが、国を作りあげてきた世代に敬意を表し、感謝しているという美しい物語のような、高齢化社会対策プログラム。
アメリカのドライバーレス自動車を作り出したのは若い世代。
車とスマホのどちらかを諦めるとしたら、躊躇せずに車を諦める世代。
そして、歳をとっても車を諦めたくないアメリカの高齢者。
若い世代とそう言う高齢者世代のニーズがうまい具合に合致しています。
それでは、みなさんのもとにいいことがたくさん舞い込んで来ますように!
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トランス ディスカバリーズは、社会人、学生を問わず、学ぶ意欲のある人たちや、
学ぶチャンスに恵まれていない人たちが知識やスキルを身につけ、明るい未来を築いていくことを応援します。
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[Reference: AARP International - Aging Readiness and Competitiveness Report]