春の嵐が襲っているアメリカ。
洪水、家の崩壊など、次から次に、いつもどこかで自然災害の被害状況が報道されています。
そういう中、日本の熊本地震のニュースも報道されなくなりました。
GWどころではない方々もたくさんいらっしゃることでしょう。
そこで、今日は、少しだけ旅行に関係した話題です。
爆買いで日本の小売業界を元気にしてくれている中国の観光客の皆さんを対象に作られたという「北海道への旅行者エチケットガイド」について。
欧米人は旅行に出かけても、そんなに買い物しませんからね。
非常に大切なお客様です。
アメリカの観光地も海外からの観光客の主流は中国系。
話題になっている英語版リーフレット 「The Traveler's Etiquette Guide to Hokkaido」を読みながら、言えてる言えてる、と同感。
同時に、日本人が海外に出かけたときのマナーの悪さが取り上げらていたのも、そう遠い昔のことではなかった記憶(20年前といえば、結構昔のことですかねぇ)が蘇ってきました。
もっとも、総じて、マナーが悪いと言われている人たちは、どこの国も団体客。
グループになると心強くなり、自国の延長線のような気持ちになってしまうからでしょうか。
今では、信じられないでしょうが、日本人の団体客の中にも、機内の通路で歩きタバコをしたりする人がいた時代があったのですよ。
そして、「旅の恥はかき捨て」だと、日本国内ではしないような行為とを平気でしたり、と。
1990年代初頭でも見られた光景です。
さて、今、ちょっと話題になっているリーフレットですが、以前のバージョンでは、「好ましくない行為 (Unwanted Behavior) 」には、赤くバツ印がつけられていたそうです。
今回刷新されたリーフレットは、漫画入りで優しいイメージになっています。
食事でのマナーのところで、「勿体無い」が説明されています。
食事を残したら、美味しくなかったことを意味し失礼だと。
ところが、私が知る限り、アジアの国々には、客人がお皿を綺麗に平らげたら、量が足りなかった、と解釈される国があります。
客人は遠慮してお代わりを言わないから、残すまで給仕するのです。
量が足りなかったのに、お代わりもくれなかった、と、なりかねません。
日本人も宴会や居酒屋で食べ残ししますよね。
つぎに、トイレの使い方。
これは、実に問題ですよね。
衛生面のことですから深刻です。
大学時代に寮生活をしていた時のことを思い出します。
いつもトイレをめちゃくちゃに汚す人がいたのです。
犯人探しが始まり、アメリカ人学生たちは、まずは、外国人学生(アジア系)を全員ターゲットにしました。
まあ、彼らにしたら、日本も中国も遠いアジアであることは同じ。
犯人は、博士課程に留学している中国の学生でした。
洋式トイレの便座の上に器用に両足を乗せてスクワット姿勢だったのです。
アメリカのトイレは、ドアの下が開いているから判明したのです。
彼女は、単に使い方を知らなかっただけのことでした。
それからは、大学寮のトイレが悲惨な汚れ方をすることはありませんでした。
ウオシュレットの使い方を説明する前に、座り方を漫画で説明した方がいいのかも知れません。
一度、流そうとしたら、少量の紙だけで詰まりそうになりました。
まあ、彼らは、水で洗う人たちですから、ほぼペーパーレス社会。
「汚物はゴミ箱ではなく、流すように」と説明したら、なんでもかんでも流してしまうリスクがありませんかね。
そして、いつもトイレ詰まりで水浸し状態になったら状況はもっと悲惨かも。
最後に、商品パッケージの開梱。
中国とは違い、アメリカは日本との距離が遠いので、日本へは誰でもが気軽に訪問できる国ではありませんが、実は、一般的なアメリカ人の中にも悪びれた様子もなく平気で商品を開く人たちがいます。
何箱も開いて、一つも買わなかったりする人もいます。
購入後、化粧品を使い出しても、気に入らなければ返品できる世界ですから。
日本のツーリズムや小売業界の皆さんの気持ちがよ〜くわかります。
生まれて初めての海外旅行の方たちもいらっしゃることでしょう。
ストローの使い方を知らない留学生もいました。
この不景気に一人あたり20万円も買い物してくださる大切なお客様。
海外からの観光客の消費金額の合計170億ドルの4分の1に相当するお得意様。
もしも、トランプ氏のような人が日本の総理大臣だったら、「観光ビザを発給する前に、マナーのテストを実施しろ」と、言われるかもね。
いや、それとも、「汚してくれたり、散らかしてくれたら、それを片付ける人が必要になる。
つまり、雇用を生み出すから大歓迎」・・・だったりして。
ツーリズムや小売店は、典型的なカスタマーサービスの業界。
サービス。
Serve(サーブ)が語源。
しもべになった気持ちで奉仕しなければ続けられない業界。
それでは、みなさんのもとにいいことがたくさん舞い込んで来ますように!
(参照:visit hokkaido dot jp, and The Washington Post)