非常にホンワカとした感じで居心地が良かったのですが、意識しなければ、居心地のいい温室から抜け出したときに、外の世界では通用しないのではないかという不安に駆られることもありました。
プロジェクトチームの一員として客先に勤務するようになってからは、業界や業種の異なる企業の人たちと接することができました。
新しいプロジェクトが始まるたびに、慣れるまでの最初の1ヶ月位は、組織内の人間関係を知るまでの間、それなりの緊張感やストレスを伴いますが、それが醍醐味でもあります。
では、プロジェックトの場合、外部の人たちに接する機会に恵まれるので、世の中に遅れをとっているのではないかという不安から抜け出せたかと言うと、そういうわけでもありません。
現場では、即戦力を求められるので、旬の知識を求められます。
つまり、仕事の傍、知識習得を続けなければならないのでした。
そして、あと一つ忘れてはならないのが、吸収合併。
外資系のIT企業は、吸収合併が頻繁です。
日本支店長が、私を米国に転勤できるように動き始めようとした頃、米国の企業に買収される話しを知らされたのです。
つまり、私の米国転勤プランは、立ち消されてしまったのです。
夫婦二人揃って、無職の状態での米国への引越しとなったのです。
当地へ引っ越して来て、もう6年が経過しました。
大きな人生の変化となりました。
変化したのは、私だけではなく、ここアリゾナも変わりました。
ニューヨークやロサンジェルスには敵いませんが、多様性に富み、国際色が強くなっています。
日本人の人口も増えたようで、日米間の国際結婚カップルに限らず、日本に関係している人たちの多さに驚きを隠せません。
私の見てくれも、名前も日本人ですので、「日本人ですか」と日本語で声をかけられることが頻繁です。
ある日のこと、80代と思われる退職した男性に話しかけられました。
息子が航空会社(想像するところパイロットのよう)に勤めていたから、月に6回は日本に行っていたこと、このおじいさん自身も日本に行ったことがある、と、世間話しを始めました。
ある時、このおじいさんと息子さんが一緒に日本に飛んでいた時のこと。
おじいさんが、ある日本人女性を見つけ、アプローチしたそうです。
「自分の息子が最近離婚したけど、僕の息子と結婚しませんか」と。
そして、このカップルは結婚18年目を迎えたそうです。
人の出会いは不思議なもの。
十人十色の出会いがあるようです。
今日、話しかけてきた人は、20〜30代のハンサムな男性。
日本語ぺらぺらで、お花見の時期には、千鳥ヶ淵で2日かけて場所取りしてお花見パーティーを開催していた人。
公の場で、お酒を飲める日本を懐かしんでいる、自称変なガイジン。
アニメや漫画、コスプレの影響が大いにあるのでしょうが、日本熱は20数年前とは比較できない高まり。
そういえば、職場の同僚が、コミュニティーカレッジで日本語クラスを受講しようとしたら、満席で空きがなかったとボヤいていました。
理由が何であれ、日本への関心が強いのは嬉しいことです。
そして、仕事の仕方、いいえ、生き方を変えて、ここアメリカで、私自身が「変なガイジン」になった日々を送っています。
今だからこそ思えることですが、吸収合併で職を失ったのは、人生転換のために与えられたチャンスだったのでしょう。
それでは、みなさんのもとにいいことがたくさん舞い込んで来ますように!
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トランス ディスカバリーズは、社会人、学生を問わず、学ぶ意欲のある人たちや、
学ぶチャンスに恵まれていない人たちが知識やスキルを身につけ、明るい未来を築いていくことを応援します。
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