ところで、アメリカの医師の肩書きにはM.D.とO.D.の2種類があります。
私のPCPはO.D.、夫のPCPはM.D.です。
そこで、その違いを調べて見ました。
M.D.は、Medical Doctor(メディカル ドクター = Allopathic Doctor)。
O.D. は、Osteopathic Doctor(オステオパシックドクター)。
どちらも医学部を卒業して、試験にも合格した医師資格保持者です。
基本的に同じような医学部で学んでいますが、トレーニングに多少の違いがあります。
しかし、O.D.が学ぶオステオパシック医学部のほうが、M.D.よりもさらに300〜500時間多く学ばなければなりません。
その医学部の時間の長さが影響しているのかどうかはわかりませんが、アメリカにいる約100万人の医師のうち約90%がM.D.、残りの約10%がO.D.です。
医師や看護師も、アメリカはすべての州で資格が認められているわけではありません。
場合によっては、州によってそれぞれの資格試験に合格してライセンスを授与されなければなりません。
しかし、O.D.の資格を持つ医師は、50州で医師として患者を診断したり手術を行ったりできます。
俗にいう西洋医学です。
つまり、逆症療法のアプローチです。
たとえば、血圧が高ければ、血圧を下げる薬を処方して、症状を診ていきます。
そして、その薬で効果がなければ、さらに強い薬にしたり、ほかの薬に変えたり、追加したりします。
悪く言えば、薬づけになるケースがあります。
アメリカ人に多いタイプですが、薬を飲んでいるから大丈夫と思って食生活を改善せず、塩分の高いポテトチップスやプレッツェルとビールを楽しみ続けている人の掛かり付け医はM.D.と解釈していいでしょう。
まあ、医師のうち9割がM.D.なのですから当然の確率ですけどね。
一方のO.D.はホーリスティックなアプローチで症状ひとつだけを見るのではなく、患者のライフスタイルや身体全体から考えていきます。
O.D.も薬の処方をしてくれますが、患者の身体全体から考えてくれますので、血圧が高ければどのような食生活をしているのかも考えてくれます。
ライフスタイルで改善すべきところがあれば、その点もアドバイスしてくれます。
O.D.の医師の約6割は、ファミリープラクティス、内科医、小児科、産科医、婦人科医の道に進んでいます。
M.D.医学部は全米に137校、O.D.医学部は26校。
アメリカの医療(メディカルプラクティス)の歴史は、1600年初頭に遡ります。
当時は、内科医、外科医、薬剤師の3つのグループに分けられていました。
イギリスで医師として学校教育を受けトレーニングを積んだ医師たちがアメリカに移り住むようになってからは、医師が外科手術や薬剤投与も行うようになりました。
そして、「医師」として1つの分類に統合されるようになったのです。
1700年代に医療組合のようなものが作られ、1760年頃までに医師として医療に従事できる人たちの規定が作られました。
最初にアメリカに医学部が作られたのはニューヨークで、1807年のことです。
1874年に、Dr.アンドリューテイラーが、身体の仕組みは互いに連携しているという哲学のもと、O.D.制度が導入されました。
O.D.医師の制度はアメリカで誕生しました。
多くの国々で診断や手術すべてに従事できます。
しかし、日本やフランス、ノルウェーなどの一部の国々においては、アメリカのO.D.医師は診断や治療はできますが、手術は許可されていません。
M.D.、O.D.いずれも年収面では大差ないそうです。
大学4年を終え、O.D.に心が傾いていた医学部生の中には、レジデンシーやその後の門戸の広さでM.D.を選ぶ人も多いようです。
どちらがいい悪いの問題ではありません。
患者の立場としても両方の医師が必要です。
家庭医や予防医学の色の濃いO.D.は、私にとって、まず最初に相談したい医師です。
私はインドに住んでいた関係上、アーユルヴェーダに興味があり、Dr.チョプラの本を読んだり、アーユルヴェーダのオンラインコースを受講したりしました。
私の担当医は、そういう分野のことも充分に理解したO.D.です。
薬を飲むことが苦手ですので、薬を大量に処方する医師だったら、薬を飲むこと自体で病気になってしまいそうに感じます。
もっとも、個々人の考え方の違いですけどね。
それでは、みなさんのもとにいいことがたくさん舞い込んで来ますように!
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学ぶチャンスに恵まれていない人たちが知識やスキルを身につけ、明るい未来を築いていくことを応援します。
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[References: Piedmont Healthcare, and medical school hq dot net]