それは、精神科医を含む複数人を殺害した犯人を追っていた事件です。
犯人の離婚に関わった法律事務所のパラリーガルの女性2人も犠牲となりました。
犯人は最終的に、潜伏していたホテルの室内で自殺したそうです。
さて、殺害された精神科医ですが、過去に有名な事件に関わったことのある、アメリカで著名な医師でした。
精神科医は、英語ではPsychiatrist。
よく似た名称で英語圏でも混同される職業が、心理学者であるPsychologist。
日本語では、精神科医と心理学者では明確に表現が違いますが、精神と心理の違いって何?
精神科医は医者だから医療機関で仕事をしていると分かりますが、心理学者はどこで何をしているのでしょうか。
英語ときたらpsychiatrist、psychologistと非常に似ていますので、ネイティブであっても混同してしまうそうです。
精神科医は、
- 名前が示すように医学部卒業の医者です。
- 精神科医になるには、医学部を卒業後、一般医師として1〜2年のトレーニングを終えます。
- 精神科医にかかる場合は、他の医者からの紹介状が必要です。
- 重度のうつ病、双極性障害、統合失調症などは精神科医の担当です。
一方、心理学者は、
- 大学院で心理学の修士号か博士号を修得する必要がありますが、医学部ではありません。博士号(PhD)の場合は、ドクター(Dr)と名乗れますが、医学のメディカル ドクター(MD)とは異なります。
- 医者ではありませんので薬の処方はできません。
- 心理学者になるには、大学で最低6年間学びます。
この場合は、心の病を診断したり治療したりする専門のトレーニングを受けなければなりません。
- 心理学者に面談するには、他の医者からの紹介状は求められません。
精神科医と心理学者は、密接に関わりながら仕事をしている場合が多いようです。
病院内のメンタルヘルスチームには、どちらも入っているそうです。
IQテストやパーソナリティー(性格)テストを行うのは心理学者です。
心理学者が最初に診断し、「心理学者ではダメだ!」と判断した場合、精神科医に引き継がれます。
どちらの職業も学んできた分野が異なりますし、アプローチも異なります。
心理学者は、行動や行為を重視します。
精神科医は、生物学や神経化学を注視します。
たとえば、睡眠障害の患者の場合。
心理学者は患者の行動(眠りのパターンや食生活など)を調べ、原因を求めていきます。
精神科医が患者に病名をつける前には、まず、体内のビタミンや甲状腺を調べます。
ビタミン欠乏や甲状腺に問題があれば、それを治療するための薬を投与します。
どちらも大変なお仕事のようです。
知り合いの話しですが、もう10年前のこと。
一般医師としてのトレーニングを終えた後、専門分野として精神科医を選びました。
実は、私もその人に精神科医の分野を勧めました。
手術がないので医療過誤(マルプラクティス)で訴えられるリスクがないことからです。
その人が精神科医の道を選んだとき、上司である医師に聞かれたそうです。
「感謝されない医者になってもいいですか」と。
実際にその道に携わった人でなければ想像すらできない質問ですね。
そして、その人は、それを覚悟の上、精神科医になりました。
数日前のアリゾナでおこった精神科医の殺害事件でその言葉を思い出させられました。
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[References: webmd dot com, and yourhealthinmind dot org]