レストランやお店で学校の先生を対象に割引や無料サービスが展開されます。
なかには、ビールを無料サービスするビール醸造バーもありますが、週が始まったばかりの火曜日。
無料ビールを目当てに飲みに行く先生たちが、どれほどいるのかは不明。
では、今日は、先生という職業について。
偉大な人を育てたことで有名な先生として知られているのが、アリストテレス。
彼が育て上げた生徒は、アレキサンダー大王。
偉大な先生は、生徒を偉大な人に育てあげる、と言われています。
しかし、アリストテレスのようなスーパースター教師が、数多く存在するわけではありませんし、誰もがアレキサンダー大王のように成長するわけでもありませんけどね。
そこで、着目したいのがピグマリオン効果(教師期待効果、ローゼンタール効果)と呼ばれるもの。
教師の生徒に対する期待感が、生徒の成績を上げる効果です。
期待しているゆえ、暖かい眼で見守ってあげますし、生徒への対応が変わってきます。
「どうせ、あなたには、そんなことはできないでしょう・・・」、「おまえにそんなことは無理難題・・・」などと最初から決めつけられ、批難ばかりされると、やる気を失ってしまうのは世界共通。やる気を失うだけではなく、自信喪失にもつながり、持っている能力を充分に活かせなくなってしまいます。
そして、そのような環境で育った子どもたちが大人になってからも、幼い頃に他の人によって植え付けられた概念が、まるで本来の自分自身のことであるように錯覚して成長してしまうのです。
アメリカ人は自信満々な人たちばかりと思われがちですが、現実は、他の人によって、心の奥に深く残された自分自身の評価に深く傷ついている人たちも多いのです。
厳しい批判を浴びせるのが、家族のケースは少なくありません。
その結果、自分自身に対して、世界で一番厳しい批判を下すのが、他の誰でもなく自分自身。
そのことに気づいた人たちは、遅かれ早かれ、周囲から被せられた殻を脱ぎ捨て、本来の自分自身に気づくのです。
そこに至るようにみんな努力しています。
学校の先生の役割は、未来を支える人たちを育てる重要な職業。
ビジネス社会のように、年間の収益のような短期的スパンの発想の職業と同じように扱われるべきではありません。
先生への報酬の低下が、優秀な人材を教壇から遠ざけていると言われるアメリカ。
大学時代に、ハーバード大学卒業の教授が、講義のときに、ちらっともらしておられたことを思い出します。
「卒業生のほうが、自分よりもはるかにいい年収を得ている。ビジネス業界のほうが、はるかに報酬が高いから、学校の先生になる道を選ぶ生徒はいない・・・」と。
講義の内容はまったく覚えていないのに、今でも鮮明に記憶に残っているのは、その日、教授が着用していた何年も着古したような時代遅れのジャケットとネクタイ。
将来のことを考えると、やはり、学校の先生の待遇を改善し、優秀な人材がぞくぞく集まるような世の中になるべきだと、Teacher Appreciation Dayに思いました。
それでは、みなさんのもとにいいことがたくさん舞い込んで来ますように!