日本とは違い、歯科(デンタル)の保険は、健康保険とは別に契約します。
通常、デンタルケアの保険は、割安感がありますが、
それでも、毎年10%は、保険料が値上がりしています。
数日前に届いた通知によると、医療技術の進歩等によりプレミアム(保険料掛け金)の
値上がりを避けられない、と、言い訳が書いてあります。

まあ、確かにそういう一面もあるかも知れない。
しかしながら、現実は、ちょっと違うように思えて仕方ありません。
先日、夫が、年に一度の健康診断で腸の内視鏡検査を受けました。
今回は、健康保険で全額検査がカバーされているので、手出しはゼロのはず。
ところが、1ヶ月ほど経過して、麻酔医から2500ドルの請求がきました。
(* アメリカの場合、請求書は、各担当から別々に送られてきます。非常に不明瞭な会計です。)
話しが違うのでは、と、夫も驚き、翌日、忙しい仕事の合間に保険会社に問い合わせたところ、
コードの入力ミスだったことが判明。
やれやれ、これでひと安心、と思いきや、忘れたころになって、
今度は、支払い警告のような封書が届きました。
またまた、仕事の合間を縫って、問い合わせしました。
「コードの入力ミス」と、同じことをまた言っている。
とうとう、保険会社と麻酔医の請求担当と3者電話会議。
数ヶ月経過して、ようやく、請求金額がゼロに変更されました。
また、アメリカの医療費は、医療機関や地域によって格差があります。医療機関が、同一ネットワーク内か否かでも大きく違ってきます。
同じ手術を受けても、請求金額が2500ドルのところもあれば、3万ドルのところもあります。
請求書には、Negotiable(交渉可)と記載されていますので、保険会社に交渉するように依頼することができます。
ところが、実際に、交渉で値を下げることは、あまり期待できません。
地域に大手病院の競合がなければ、交渉は非常に困難な状況です。
そういう背景もあり、医療機関がグループ化して、巨大化し、パワーアップを図り、保険会社の交渉力を弱めようとしています。
もしも、医療機関から想定外の請求書が送られてきたら、まずは、医療機関と保険会社に問い合わせすることをお勧めします。
日本とはシステムがかなり違いますので、素直にすんなりと支払ったら、勿体無いですよ。
今回の我が家のケースのように、間違いの請求もありますから。
また、医療機関は、キャッシュフローを潤滑にしたいので、医療機関訪問当日に、その場で一部支払いを言ってくる場合があります。
しかし、この場合は、きっぱりと「保険会社経由で請求してください」と、避けるほうが賢明です。
各自の保険のタイプによって、多少異なりますが、経験上、保険カードに、明確に金額が記載されていない場合には、その場での支払いは避けるべきです。
自己負担額の年間の上限額等は、保険会社が記録をとっています。
万が一、上限額を上回る金額を医療機関に支払ったとしても、
返金されるまでに数ヶ月も要することは頻繁です。
これも経験済みです。
幸い、健康なので、医療機関から遠ざかっている生活を送っています。
なのに、保険料だけは、毎年上がっていく・・・・・。
そして、ちょっと医療機関を利用すれば、請求を間違ってくるし、
腹立たしい気持ちがたまってしまうアメリカの医療業界。
イギリスや日本なども、残念ながらアメリカのヘルスケア制度の後を追っていると、
予測している専門家がいます。